不定期にもほどがある日記

2017 08
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誰が何と言おうと3話は神回。異論は認めない。
改めて3話をみてたぎったという話。



放送室への階段を駆け上がりながら、訳のわからないモノががじわじわと感覚を支配し始めているのをあたしは気づいていた。
同時に何か熱いものが込み上げてくるのにも気づかない訳にはいかなかった。





一体いつからそれがあたしの体を蝕み始めているかと言ったら、間違いなく岩沢が教師の拘束を振り切ってギターを手にした瞬間だ。
岩沢の指が弦を弾く度にどくんどくんと自分の心臓の音がやけに響いていた。
新曲だった。それもあいつが自分自身を歌った曲だと分かるとさらに心臓の音は大きくなり、脈打つ速度は加速した。
嫌な予感しかしなかった。分の悪い作戦を実行するときの感覚でも、天使に突き刺されて死ぬ時の感覚よりも、もっともっと嫌なものだ。

放送室に駆け込んで、縋りつくように音響ボリュームを目一杯上げる。
こんな遠目からでも分かる。あいつの必死さが、切実さが、そして自分の全てをかけて歌っていることが。



だから分かる。あいつは消える。



あいつの声も、あたしが追いかけても決して追いつけなかったギターの腕も、歌う時ちょっと上向きになりがちな顔も何もかもが消えてしまう。あたしが惚れた岩沢という存在が消える瞬間は着実に近づいている。それはどうしようもなく恐ろしい事だった。


あいつと出会って、あたしは音楽を知り。
あいつと出会って、あたしは変わり。
あいつと出会って、あたしは生きる楽しさを知った。
こいつになら全てをかけてもいいと思った。
口に出したことはなかったけどあいつがあたしのすべてだった。


あぁ、もうすぐ曲が終わる。つまりそれは岩沢がもうすぐ消えるということで、なのにあいつときたら今まであたし達に見せたことなどないような幸せそうな顔をしてるんだ。反対にあたしはもうすぐそこまで込み上げる何かが来ていて、それを抑えるのに必死だった。最後の瞬間涙であいつが見えないなんて馬鹿もいいとこだ。そんなことを思いながら食い入るように岩沢を見つめていた。瞬きの時間すら惜しかった。


ガタン、とギターが落ちた音では、っとする。
すでに岩沢は居なくってあいつが命よりも大事にしていたギターが煌々と輝くステージのど真ん中にぽつんと落ちているだけだった。あっという間だ。一瞬だって目を離していなかったはずなのに瞬きするより早くあいつは消えてしまった。あっけないものだった。
あまりにも現実味がなくて、あいつの名前を呟いてみたけれどやっぱり現実味は戻ってこなくて、当然岩沢だって戻ってこなかった。
がくんと膝をついて初めて力が入らないことを知る。ついでに頬を熱いものが伝っているのに気付いたけれど、気付かないふりをした。
薄暗い放送室でただじっとしていた。その間も涙は頬を滑り落ちていた。

入江と関根が探しに来るまで、とめどなく頬を濡らしながら薄暗い放送室でただじっとしていた。
ただじっと、動かなければあいつが戻ってくるとでもいうかのようにただじっと、黙って涙を流し続けた。












あいつにとってのあたしという存在のちっぽけさを突き付けられた日。



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